【獣害に悩まされない奇跡の村・福島県湯川村】
農業×バケーションで夏のツアーを考える
黄金色の田んぼが果てしなく広がる、福島県湯川村主催のオンラインイベントが3月12日に開催され、私たちは企画・運営を行いました。今回のテーマは、農ケーション(農業×バケーション)。
湯川村の移住者や村おこしに携わるゲストが登場し、湯川村についてのトークセッションの他、「田舎暮らし体験ツアー」を考えるワークショップを行いました。湯川村の魅力に迫った当日のイベントレポートをお届けします。
▼イベント詳細はこちら
https://dotbuttoncompany.com/yugawamura-event/
4㎞四方の福島県で1番小さな湯川村
湯川村は、会津のへそとも言われるように会津盆地の中心に位置しており、よそ見をしているとあっという間に通り過ぎてしまう、4km四方の福島県内で1番小さな村です。
秋になると一面黄金色に染まる景色は本当に美しく、四季の移ろいを堪能できるのが魅力だと語るゲストたち。
コシヒカリをはじめとした湯川村の米は日本一の食味を有しており、収穫量は県内一を誇っています。野菜や果物の生産も盛んで、夏には、アスパラ・トマト・スイカ・桃などが収穫されています。
ゲストの紹介
はじめ堂店主 岩沢 一行さん
福島県湯川村出身。服部栄養専門学校を卒業後、都内で19年間洋食・和食と様々な業界で経験を積む。その中で地元会津の米や野菜等の食材の素晴らしさを改めて感じ、地元会津で自分の店を開きたいとの郷土愛から2020年4月より湯川村へ移住し、2020年10月より村内に「はじめ堂」をオープン。
有限会社栗城ドリームファーム 栗城 哲也さん
福島県湯川村生まれ。もともとはIT系の業務をしていたが、湯川村の農産物の魅力に気づき就農。父が代表を務める有限会社栗城ドリームファームでお米と野菜を生産・販売している。また、村内外の各種イベントにも出展し、自社商品だけでなく特産品や村のPRにも尽力している。2020年7月からは福島県で委嘱している会津チャレンジライフの「湯川村地域ディレクター」として、移住定住のサポートにも従事している。
湯川村産業建設課商工観光係 大越 惇さん
福島県郡山市生まれ。村職員2年目。福島大学在学中のゼミ活動で湯川村の村おこしに携わるうちに湯川村に興味を持ち、村役場に就職。現在は商工観光係で村内商工業者の補助・支援関係をはじめ、ワーキングホリデー事業や移住定住、福島大学のゼミ生(後輩)のサポート等に従事している。
イベントは、ゲストの紹介と参加者の自己紹介からスタート。湯川村を初めて聞いたという方も参加してくださった今回のイベントですが、中には、福島ふるさとワーキングホリデーで、大学の長期休みのほとんどを湯川村で過ごし、農業体験をされた方もいました。
ゲストには、それぞれ湯川村との繋がりや現在の関わり方についてお話していただき、湯川村の魅力について迫っていきます。
ゲストが語る湯川村の魅力
湯川村の紹介を行った後、ゲストのみなさんに、実際に住んでいるからこそわかる、湯川村の魅力を語っていただきました。
ゲストの岩沢さんは、湯川村で「はじめ堂」という定食屋を営んでおり、現在移住して5ヶ月目となります。岩沢さんは、元々湯川村の出身で、都内の飲食業界で経験を積んだ後、去年の7月に湯川村へUターンしてきました。
湯川村の良いところは、田舎でありながらアクセスがいいところだと言います。
会津のへそとも言われるように会津盆地の中心に位置する湯川村は、会津若松からも喜多方からも車で15分ほどでアクセスできるところが、暮らしやすさにも繋がっているそうです。
また、子供たちがのびのびと自由に遊び回れるのも田舎ならでは。岩沢さんの3人のお子さんたちも楽しそうに過ごしていると言います。待機児童もなく子供を預けやすいのも利点のひとつ。また、学校や保育園のクラスの人数も比較的少ないので、先生たちの目も行き届いて安心だと話していました。
そして何よりも、「野菜がうまい、米がうまい」のが湯川村の魅力です、と岩沢さん。採れたての野菜が手に入ることは、料理人としても嬉しい、と語ります。
農ケーションで湯川村を訪れた際には、はじめ堂にて湯川村の食材を使った料理も堪能できるそうです。
はじめ堂で1番おすすめのメニューは「オムライス」だそう。ふわふわトロトロの卵が絶品とのこと。湯川村に行った際はぜひ食べてみたいですね。
2人目のゲストである栗城さんは、父の後を継ぎ、栗城ドリームファームで農業を営んでおり、お米の他にきゅうりとネギも栽培しています。会津は冬になると雪が降るので、雪下野菜も作っていると話す栗城さん。「今年は大雪で大変だった。雪下野菜は手間はかかりますが、甘みが出て美味しいです」と語ってくれました。
また、「原発事故やコロナの影響もあり、農業は大変だが、やりがいのある仕事なので前向きに頑張っています」と話す栗城さん。湯川村の名前をもっと知って欲しくて、SNSで湯川村ののどかな景色を写真に撮って発信しているのだそう。そう語る表情から湯川村への愛着が伝わってきました。
岩沢さんに続いて、栗城さんも「アクセスの良さ」について言及しました。現在栗城さんは、会津若松に住んでいて、湯川村までは15分ほどかけて車で通勤していると言います。
さらに栗城さんへ、湯川村ならではの農業の特徴や強みについてお伺いしていきます。
湯川村の農業の特徴は山がないので日照時間が長く、エリアが小さいため、満遍なく日光が当たること。日光もムラなく当たるため、美味しさにもムラが出ないのが、強みだと語ってくれました。周辺の山々から、綺麗な水が流れきていることも美味しさの秘訣。
なかでもブランド米として認められる「湯川米」は、五つ星お米マイスター/西島さんお墨付きで、全国の米の食味ランキングでも最高級ランクを誇っています。
村職員に従事して2年目となる大越さんは、福島の郡山市出身。大越さんは、大学のゼミの活動の一環で湯川村を訪れ、湯川村に魅了されたことがきっかけで役場で働いていると言います。主に補助金の支援や観光PRのほか、湯川村への移住相談も行っている大越さんは、困ったときの相談役として幅広く活躍されています。
今年できたばかりの湯川村のマスコットキャラ「ゆがわまいちゃん」も披露してくれました。「コロナの影響でイベントが無く、まだ出番がないが、これから活躍させていきたい」と語ります。
湯川村は、山がないので災害時に土砂崩れするところがなく、県内で湯川村だけ土砂災害警報が出なかったこともあるほど。
また、山がない分、獣害にも悩まされないため、農業を行うにはとてもいい環境だと言います。
そして、村が一枚の田んぼのような景観は、湯川村ならでは。端から端まで見渡せる田んぼは、秋になると一面黄金色に染まります。「本当に綺麗です」とうっとりした表情を見せてくれました。
湯川村を舞台に、田舎暮らし体験ツアーを生み出すアイデアワークショップ
ゲストによるトークセッションが終わったあとは参加者も交えたアイデアワークショップへ移っていきます。
テーマは、「夏に開催する湯川村へのツアープランをみんなで考えよう」
ワークショップでは、ZOOMのブレイクアウトルームを使ってチームに分かれ、みんなでアイデアを出し合います。各ルームでは、活発な意見交換が行われ、幅広いアイデアが生まれました。
▼アイデア
・湯川村の野菜の収穫体験
・川遊び
・蕎麦打ち体験
・湯川村のお母さんたちとケーキづくりで交流
・村全体を遊び場としたお子様・ご家族向けツアー
・道の駅のレンタサイクルを活用したサイクリングツアー
・岩沢さんによる、湯川村の食材を使った料理教室
・岩沢さんによる星空レストラン
・夜空の下で松明でアートをつくり、ドローンで空中撮影
どのアイデアも実現すると、きっと夏の思い出に残る素敵なツアーとなりそうです。ワークショップの後は、ゲストも交えて参加者同士の交流を楽しみ、イベントの最後は、湯川村の「Y」のポーズで記念撮影し、ほっこりしたムードで幕を閉じました。
「食が好きな人、お米が好きな人はぜひ湯川村へ」と話す岩沢さん。
栗城さんは、「野菜づくり、地域のPRなどをやってみたい人には、ぜひ湯川村へ来て欲しい」とコメントをしてくれました。
大越さんは、「50歳未満の新規就農者向けの補助金の支援や、農地の紹介・斡旋、研修先の農家さんの紹介もやっています。気になる方は気軽に役場へ問い合わせください。お待ちしています。」と笑顔で語ってくれました。
獣害に悩まされない奇跡の村で始める暮らし
ゲストからは、食や子育て、通勤など、多方面で湯川村ならではの豊かな暮らしを伺うことができました。
またゲスト同士の会話の様子から、地域の中の温かい繋がりも感じ取れます。
新規就農や田舎暮らしに興味がある方は、獣害に悩まされない奇跡の村、湯川村で黄金色の田んぼに囲まれて暮らしてみてはいかがでしょうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【問い合わせ先】
湯川村役場産業建設課
TEL: 0241-27-8831(直通)
メール: kanko@vill.yugawa.fukushima.jp
担当:商工観光係 主事 大越 惇
▼湯川村公式ホームページ
https://www.vill.yugawa.fukushima.jp/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー