
BRIDGE KUMAMOTOと共創し、ごみを見る万華鏡「REF®」をプランナーとして企画
dot button companyは、熊本を拠点とするソーシャルデザイン集団 BRIDGE KUMAMOTO のプロダクト「REF®(レフ)」に、代表の中屋祐輔がプランナーとして参画し、初期企画をメインで担当しました。インドネシア・バリ島のごみ集積場で受けた衝撃を起点に、「ごみを見る万華鏡」という形へ落とし込んだプロダクトです。構想から発売までに約2年をかけ、2020年4月21日に発売しました。海外での原体験を出発点に、企画から製品化・販売までを他社との共創で完遂した事例です。
背景・課題
熊本地震から2年が経過した2018年4月、BRIDGE KUMAMOTOは、被災地のブルーシートをバッグに再生する「ブルーシードバッグ」に続く次の一手を模索していました。そこで出会ったのが、インドネシア・バリ島ウブドを拠点に活動する Earth Company です。次の世代に残せる未来をつくるというビジョンに共感し、韓国・東京・熊本からメンバーが集まってバリ島で合宿を行いました。
合宿でもっとも強い衝撃を受けたのは、観光によって生まれたごみの集積場でした。処理されないごみが山となり、その周囲で牛が餌を探し、近くに住む子どもたちが走り回って遊んでいる。遠い島の出来事が自分たちの日常と地続きであるという事実を、においや音まで含めて受け取る体験でした。この原体験をどう社会に問い直すか、がプロジェクトの出発点になりました。
取り組み
dot button company代表の中屋祐輔は、本プロジェクトのプランナーとして初期企画をメインで担当しました。バリ島での原体験をどうプロダクトに変換するかというコンセプト設計の中核を担い、そこから製品化に向けた推進を行いました。
合宿中のワークで出た「ごみ山を上から見たとき、光が反射して万華鏡のように見えた」という言葉を起点に、プロダクトの形式を万華鏡に決定。名称の「REF」は、内省・熟考を意味する REFLECTION の頭文字です。別世界だと思っていたものが実は自分たちの世界と地続きだったと気づき、内省したチーム自身を表しています。
設計では3点を軸に据えました。第一に、のぞくものを固定せず、お菓子の外袋やペットボトルのラベルといった身近なごみを自分で入れ替えられる構造にすること。第二に、筐体そのものを再生プラスチック(プラスチック成形の工程で発生する「ランナー」と呼ばれる廃材)でつくり、パッケージも1枚の再生紙で構成し、装飾やインクを極力使わずエンボス加工で表記すること。第三に、子どもと一緒に組み立てられる簡易な構造にして、ワークショップの教材として機能させることです。
韓国と日本のデザイナー、金型メーカー、PR、組立まで、国と職能をまたぐチームで分担し、構想から発売までに約2年をかけました。仕様は長さ16cm・直径約3.6cm・重さ約55g、内部はアクリルミラー3枚とアクリル板2枚という構成です。
成果
REF®は2020年4月21日、クラウドファンディング「CAMPFIRE」での先行販売という形で世に出ました。その後は BRIDGE KUMAMOTO の常設プロダクトとして販売が継続しています。
発売時にはローカルメディア「コロカル」やものづくりメディア「しゃかいか!」などに取り上げられ、「自分が捨てたごみを美しいと感じてしまう」というアイロニーを入り口に、ごみ問題を自分ごととして考える機会をつくりました。
企業や団体の強みを活かした社会性の高いプロダクト開発において、原体験の設計から製品仕様、流通の設計までを一貫して伴走できることを示した事例です。
プロジェクトクレジット
produced by BRIDGE KUMAMOTO
- Planner:中屋 祐輔(dot button company株式会社)
- Creative Director:佐藤 かつあき(株式会社かつあき/BRIDGE KUMAMOTO)
- Product Designer:Jongwon Park(JC park creative studio)
- Art Director:Heeseok Han(shiftlabo)
- PR:田中 美咲(株式会社 morning after cutting my hair)
- Production Assistant:村上 直子
- Coordinator:Earth Company
- Molding:有限会社ウエキモールド
- Assemble:矢上 智世子(UMU)
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